刀には、地金(じがね)と呼ばれる模様があります。鍛錬を繰り返していった結果、生じた鍛え肌の模様を指します。柾目、板目、杢目、綾杉などが有名で、さらに交ざり合っているという場合もあるそうです。流派によって特徴が異なっており、地金から読み取ることもできるそうです。地金の種類は、その形に例えてさまざまな種類があります。まず、柾目肌(まさめはだ)です。木材の柾目とは、まっすぐに通っている木目を言います。このような柾目のような模様になっているものを指します。鍛錬のときに、地金を一方向に折り返したことから生じている模様で、大和伝系の鍛冶に多く見られているそうです。板目肌(いためはだ)は、木材の板目からきています。まっすぐに通っていない木目のような模様で、さらに細かく詰んでいるものは小板目肌とも言うそうです。杢目肌(もくめはだ)は、木の年輪のような模様になっていることが特徴です。細かく詰んでいるものは、小杢目肌といいます。備前刀に多いと言われています。綾杉肌は、綾杉の木地に似ていることから名付けられました。羽州月山(がっさん)鍛冶が特異とすることから、月山肌とも呼ぶそうです。薩摩の波平(なみひら)系にも多く見られる作りとなっていますが、これは修験者である山月鍛冶が伝えたためと言われています。ざんぐりは、慶長・元和期頃の表現を指します。特に堀川國廣一門の地金を指すと言われています。板目肌をベースに、柾目・杢目が交じっているために強く錬れ、地沸がよく付いています。地景が盛んに入っていて、鍛えが粗雑でないにも関わらず、肌目が起こって見えていることが特徴です。独特な地肌になっており、この地肌を「ざんぐりとする」と言うこともあるそうです。