平和な江戸時代の太平の世が続くと、刀が実戦で使われることは少なくなります。そのため、刀の切れ味を試すには、実際に人を斬るのではなく「試し斬り」という形で行われることになります。人の首と同じ切れ具合と言われているのは、いぐさで作られている畳表を青竹を芯にして巻き付け、さらに一日水につけたものです。木の台に置かれて実際に斬っているところを、テレビなどで観たことがあるかもしれません。当時は、「兜割(かぶとわり)」という方法でも斬れ味を試していたそうです。鉄でできている兜を斬りつけることで、切り口を確認して試すのです。よく鍛えられている日本刀を達人が使った場合には、このように兜にさえ切り込みを入れることができるのです。これだけ細身の刃物がよく斬れるというのは、日本刀のほかにはないレベルだと言われています。