刀と慣用句

当たり前に使っている慣用句の中でも、刀剣に関するものは数多くあります。例えば、目抜き通りという言葉です。街の中心として目立っている通りのことを指しますが、これは刀の「目貫」が由来になっています。

目貫は日本刀の柄に仕込まれている金具の事であり、刀身を留める目釘の役割をしています。刀の中心線に沿って配置されているので、ここから『目立って走っている通り』である、目抜き通りという言葉に転じたのです。

他にも、「しのぎを削る」は、刀の鎬(しのぎ)部分が削れるほど激しく打ち合ったというところから、スポーツなどで激しく争うということを指します。

他にも、身動きがとれない(刀を抜くこともできない)ことから「ぬきさしならない」という言葉ができたり、宣言なしに刀を抜いて打つことから「抜き打ち」という言葉が使われるようになりました。